2007年07月10日

恵比寿の勇者

今日は新宿でお仕事でした。

その帰り道。

最近放浪生活続きの私は、いつものように
大量の荷物をもって電車に乗り込みました。

これから起こる恐ろしい出来事なんて、
露ともしらずに・・・。





ガタンゴトン。

混雑する電車の中、3つも荷物を抱えている私は、
幸運にも壁際がとれたので、さっそく荷物をおろして本を開きました。

今読んでいる「人を動かす」という本はとても面白くて
今日も今日とて、続きのページを開いた途端、
引き込まれていきます。

ガタンゴトン。
え~次は~渋谷~。

「そうか、人は幸福になろうとする決心の強さに応じて
 幸福になれるものなのだ」

ガタンゴトン。
え~次は~恵比寿~。


「そうか、何よりも大事なことは相手に重要感をもたせる・・・・」


とそこで。


ぶ、ぶ、ぶぶぶぶーん


と、いきなり耳のすぐ後ろでなんとも不快な音が。

断腸の思いで振り返ると、迷い込んだ虫が一匹。


ひー。


虫嫌い。


はっきりいって、半分パニックです。
混雑する電車の中で、身動きもとれず
全身全霊で「お願い私のところにこないで。。」

と願ってるそばから


うぎゃー。またきたーーー。


一回はやり過ごしたのですが、
その後は本どころじゃありません。
目を皿にして虫の行方を追っていました。

いったん姿を隠すも、突如として現れるその恐怖!

あぁ、どうしよう、どうしよう。

この恐怖があと50分も続くなんて考えられない。

お願い、だれか助けて!!

とおもったら、現れたのです。


勇者が。


彼こそまさに男の中の男。
英雄の中の英雄。勇者の中の勇者です。

私はついに奇跡を見ました。


なんと私の隣にいたスキンヘッドの兄ちゃんが


はしっ!!!!


っと、その飛んでいる虫を手でつかむじゃないですか!


すごい、、、すごすぎる。


その黄金の右手の中には、なにやらもぞもぞと動く気配が。

思わず、「捕まえたんですか!!??」と
話しかけてしまいました。

「あぁ、かなぶんですね」なんて、
そんな悠長なこと言っているそばから、
右手の隙間から足らしき物がでてきてるYOーーーっっ!!


とにかくその間、わずか3分くらい。

渋谷をでて、恵比寿につくまでに
そのドラマは始まり、そして、終わりを告げたのです。


渋谷で捕まえられたかなぶんは
恵比寿までしっかりと勇者の右手に収まり、
夜の街に放たれました。

さらに付け加えると、その勇者、単に恵比寿で
扉からていっとかなぶんを投げるわけではなく
いったんドアからでて、電車から離れたところで
手を開き、再び一番最後から電車に乗り込んできたのです。


あぁ、なんて紳士。

私は確かに奇跡をみました。


ガタンゴトン。


私はやっぱり虫は好きにはなれないけれど、
でも今夜、恵比寿の夜に消えていった小さなかなぶんを思うと、
なんだかとても悲しい気持ちになってしまいました。

みんなが迷惑している君を、
一番素敵な方法で助けてあげた勇者のおかげで
虫も生きているのだという当たり前のことを
少し考えさせられた。


あのかなぶん、「先ほどは助けていただいて、、、」
とかいって、今夜勇者の夢にでもでるのだろうか。

もしまちがって、すぐ隣にいた私のところにでてきたら
夜の反省を生かして少しはやさしくしてあげよう。



at 03:16│Comments(0)

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